宅建の難易度は?
宅建の難易度については、大手資格の学校や多くのサイトで紹介されているのですが、
他の資格との比較はあまり意味がないのではと感じています。
大手資格の学校では様々な国家資格を扱っているので総合パンフレットで比較するのはやむを得ない事情もあるかと思いますが、
宅建を目指されている方が他の資格との難易度を見たところでよくわからないのではないでしょうか。
10年以上宅建試験に携わってきた講師の立場から本音ベースで答えますと、
宅建試験は難しい試験です。
ただし、勉強の仕方さえ間違わなければ誰もが合格できる試験であることも間違いないです。
これには明確な理由があります。
難しい試験なのですが、本試験は択一式だけの出題でしかも四肢択一であるということです。
多くの国家試験は五肢択一の試験です。
選択肢が1つ増えるだけで正答率が大きく変わります。 私は毎年、四肢択一のうちに合格しないと五肢択一になると1年では合格できない試験になるよと受講生に伝えています。
実は宅建主任者試験から宅建士試験になるとき、士業に格上げされるのだから五肢択一に出題方法が変わるのではないかと噂されておりました。
試験の内容は出題範囲も広く、問われる内容も決して易しくない試験ですが、
択一だけの試験なので問題文の正誤さえできればよく、しかも選択肢は4つだけなので、勉強方法さえ間違わなければ必ずだれでも合格できる試験なのです。
宅建と他の資格の比較
宅建試験にチャレンジされる方の中には、いずれは難関資格に合格するための足掛かりとして受験される方もいらっしゃいます。
私が教えてきた受講生の半分以上が次の資格も見据えて学習されていました。
実際に私が見てきた受講生の傾向をもとに他の資格との比較をご紹介します。
まず、相性がよい資格としてあげられるのが、マンション管理士と管理業務主任者です。
宅建士とあわせて不動産三冠資格と呼ばれたりしていますが、実は私の受講生で次にこれらの資格を目指しているという方はほとんどおりませんでした。この資格を目指す方はすでに不動産・住宅業界で勤務されている方が多いのではないでしょうか。 受講生からの相談ベースも含めて多かった資格が3つあります。
1. 不動産鑑定士
文系国家資格の中では司法試験、公認会計士試験と並んで三大国家資格と言われている超難関資格です。
1次試験が択一式試験で、不動産鑑定理論、行政法規の2科目、1次試験に合格した者だけが2次試験の論文試験に進むことができ、不動産鑑定理論、不動産鑑定理論演習、民法、経済学、会計学の4科目(配点は不動産鑑定理論・演習が300点、民法、経済学、会計学が各100点の合計600点)を3日間にわたり受験します。
1次試験については、宅建に合格してすぐに不動産鑑定理論の択一に絞った学習をすれば合格レベルには達することができます。一次試験の行政法規は宅建試験と半分くらい出題範囲が重なっているので重なっていないところを過去問で押さえれば大丈夫です。
ただし、この試験は2次試験が本当の勝負で安易に挑戦すると痛い目を見るので本当に目指したいのであれば相当な覚悟をもってチャレンジされることをおすすめします。
2.司法書士
住宅・不動産業界に勤務されている方は、一番身近な士業の先生というイメージがあるので、宅建試験合格後に目指してみたいと考える方は多いです。
最近でこそ合格率は少し上がりましたが、3%~5%の超難関資格となっています。不動産登記と商業登記がメインの仕事となるため、民法、会社法、不動産登記法、商業登記法が最重要科目となりますが、択一の足切りラインがとても高く、科目数も多いため手を抜ける科目がないのが特徴です。
これだけ難易度が高い試験にも関わらず、試験は1日で終了するため短時間で択一、記述とも正確に解答するためには正確な暗記が必要になることはおわかりになるかと思います。
宅建試験は四肢択一ですが、四肢択一でどの選択肢も完璧にわかるという状況まで仕上げることができるのであれば、司法書士を目指してもよいかと思います。
3. 行政書士
行政書士試験については、宅建に合格してから目指すというよりかは、最初の足掛かりとしてどちらを受けようかと悩まれる方が多いように思います。
宅建士、不動産鑑定士、司法書士の試験と行政書士試験の大きな違いは、行政書士試験に合格しても行政書士の業務をすぐにできるようにはならないということです。
宅建試験では重要事項の説明、契約書記載事項など、実際宅建士が行う業務が直接問われます。
不動産鑑定士も不動産の鑑定が仕事なので、択一も論文も直接鑑定理論の内容が問われます。司法書士は登記なので不動産・商業共に択一、記述で問われます。
しかし行政書士試験では一般的な法律知識や、文章理解などの一般教養的な試験となっており公務員試験のようなイメージをもっておくとよいのではないでしょうか。
宅建が難しいと言われる理由
宅建は、不動産取引に関する法律や規則を理解し、実務に必要な知識を身につけるための資格試験です。
以下に宅建が難しいと言われる理由をいくつか挙げます。
1.受験範囲の広さ
宅建試験の受験範囲は、不動産業界に関する法律や規則、建築物、土地などの専門用語、実務に必要な知識など非常に幅広く、多岐にわたるため、試験対策に時間と労力が必要です。
2.難解な法律用語や規則
宅建試験では、不動産取引に関する法律や規則が出題されます。これらの法律用語や規則は、普段の生活で使う言葉とは異なり、専門的で難解なため、試験に合格するためには理解が必要です。宅建試験は、実務に必要な知識を問われるため、実務を知っている人にとっては有利ですが、まったく実務を経験したことがない人にとっては、言葉の意味から理解することが必要になります。
3.理解度の確認
宅建試験は、単に知識を暗記するだけではなく、実際に理解し、応用することが求められます。
そのため、問題文が複雑で、答えが明確に提示されていない場合が多く、答えを導き出すためには、独自の判断力や思考力が必要です。
以上が、宅建が難しいと言われる理由の一部です。宅建試験に合格するには、広範な知識を習得し、理解を深めることが必要です。