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2023年宅建を取得するメリットはある??もう遅い?

宅建士の仕事内容

はじめに、宅建士の仕事とは何でしょうか?
これは宅建業法で定められていますが、3つの独占業務があります。

1. 重要事項の説明

宅建業法35条に記載されているので35条書面とも言われたりしますが、
重要事項の説明は、不動産の契約前に契約者(お客様)に対して行います。

物件内容や権利関係など、専門用語ばかりの書面ですが、これをわかりやすくお客様に説明するのが宅建士の役割であり、宅建士にしかできない独占業務となります。

2. 重要事項説明書への記名

これも有資格者である宅建士の独占業務となっています。
記名に関しては、説明している宅建士と別の宅建士が記名しても問題はありません。

3. 契約書への記名

宅建業法37条に記載されているので37条書面と言われたりしますが、
こちらも有資格者である宅建士が記名することで契約が保証されると理解しておくとよいでしょう。

昨年までは、重要事項説明書も契約書も記名・押印とされていましたが、デジタル社会形成関係法律整備法により宅建業法も改正され、令和4年5月より「押印廃止」となっております。

しかし、取引の多くは、電磁取引ではなく、まだ紙ベースが中心かと思いますので、この部分については、宅建試験と実務は一旦切り離しておいた方がよいでしょう。

宅建士資格をとるメリット

食いっぱぐれない資格なのに、弁護士などの難関資格と比べ難易度が高くない

数多くの国家資格がありますが、私自身の経験上、一番コスパの高い資格だと断言します。

食いっぱぐれない資格として紹介しているブログなどもありますが、その理由は必置資格であることがあげられます。

必置資格とは何か?

宅建業法により、不動産の事務所には5人に1人の割合で宅建士を置かなければいけないと定められているのです。
そもそも宅建士がいないと開業すらできないという事態になるので宅地建物取引業の世界ではとても重要な資格となっています。

参考までに令和3年度末のデータで宅建業者数は128597業者となっており、8年連続増加となっています。皆さんがよく利用されるコンビニが56878店舗(令和4年データ)なので、2倍以上の数があることに驚かれるのではないでしょうか。

これだけの数の業者があり、事務所には5人に1人の割合で宅建士を置かなければいけないとなると相当な需要があるのはおわかりいただけるかと思います。(あくまで業者数なので、何店舗も事務所を出している大手業者も含まれているため事務所数はこれよりも多くなります)

弁護士でも食べるのが難しくなっているという記事を読んだことがありますが、弁護士になるための勉強時間と費用を考えると、宅建士のコスパは相当高く、すぐに活用するつもりはないけれども将来困ったときのために取っておくのもメリットが大きいと思います。

宅建士(宅地建物取引士)が人気の理由

宅建士の受験者は一般的に大きく2つにわかれます。

1. 不動産業界に勤務し、業務上必要不可欠な人
2. それ以外の人


まず1については、新卒で不動産、住宅業界に就職したいと考える学生は学生時代に宅建を取得します。
理由は就職活動で有利だからです。
宅建士が必置資格である以上、いくら優秀な営業であってもすべて1人で仕事を完結することができないため一人前とはみなされません。
なので、1の人たちにとって宅建士は、人気などとは関係なく、強制的に取得しなければならない資格です。


2の人たちはまさに千差万別で、これから難関資格を目指すための足掛かりに宅建を勉強する人もいれば、宅建を持っていれば転職に有利だという人もいます。
いろいろな人気の理由はあるのですが、宅建講師の立場から言いますと、国家試験の中では珍しく四肢択一の試験であり(多くの試験は五肢択一や記述、論文があります)、頑張ればだれでも合格できる試験というのが人気の理由ではないでしょうか。

難関資格の合格体験記を読んでいると、あきらめなかったから合格できたと書かれているのですが、多くの方は続けていても合格できていません。
ただし宅建の場合、いくら勉強が苦手な人でも3年の内には合格されていますので、合格できるというのが人気のある理由だと思います。

宅建士を取得すると年収は上がる?

不動産業界の人は一時金や資格手当をもらえるチャンスがある

まず、不動産業界に勤務されている方は宅建士を取得しますと合格一時金が出たり、毎月の資格手当が出たり、必ず何かしらの収入アップにはなります。
それ以外にも昇格条件になっている会社などもあったりしますので、勤務されている会社の人事部に規定などを確認されてもよいかと思います。

それ以外の方に関しては、勤務されている会社に資格取得の場合に合格祝い金が出るなどといった規定がない限り、年収が上がることがありません。
不動産業界に転職されるのであれば、もちろん上がる可能性はあるのですが、そもそも宅建士の独占業務が重要事項説明書と契約書に特化されているので、業界以外で勤務されている方は勉強した知識は活かせても直接宅建士としての仕事はできません。
なので、不動産業界以外の方で年収アップをもくろんで宅建士にチャレンジされている方は少ないかもしれません。


私が教えてきた受講生の大半は、宅建士に合格した後で難関資格を受験したり、何か勉強してみたかったという人が意外に多かったのも事実です。
そこまで強いモチベーションがなくても合格することができる試験であることも魅力の1つかもしれません。